カフェ開業に必須!エスプレッソを安定させる方法

こんにちは!サンマルコの毛利です。
カフェを開業して、エスプレッソを看板メニューにしたい。そう考えている方は多いのではないでしょうか。
イタリアから始まったエスプレッソ文化ですが、その一杯には驚くほど多くの要素が関わってきます。抽出温度、圧力、豆の焙煎度合い、挽き目、バリスタの技量など挙げ始めるとキリがありません。
実は、ある有名なバリスタさんが言っていた言葉に、こんなものがあります。
「エスプレッソのクオリティは、バリスタ=25%、マシン=25%、豆=50%」
一見すると「豆が半分も占めるの?」と驚かれるかもしれません。
でも、実際にエスプレッソを抽出している現場に携わると、納得できる部分が多いんです。
今回は、この「豆50%・バリスタ25%・マシン25%」という考え方を軸に、エスプレッソを安定抽出するうえで欠かせない「マシンの選び方と安定性の確保」についてお話ししていきます。
Contents
エスプレッソ抽出のブレはどこから来るの?
カフェを開業してエスプレッソを提供するうえで、一番悩ましいのが「毎回同じように淹れているはずなのに、なぜか味が微妙に違う」というブレの問題です。
極端な話、同じ豆・同じマシンを使っていても、淹れるタイミングやバリスタが変わるだけで味が変化することがあります。
このブレが発生する要因として、大きく以下の3つが挙げられます。
①マシン由来のブレ
圧力や温度、抽出時間などの制御精度、マシンの「馬力」(=お湯を安定供給できる力)の問題
②バリスタ由来のブレ
挽き目の設定、粉量の調整、抽出ボタンを押すタイミング、バリスタ自身の熟練度
③豆(焙煎)由来のブレ
豆の品質・鮮度・焙煎度合い、そもそもポテンシャルを引き出せる状態かどうか
このうち、もっとも影響度が大きいのが3番目、つまり「豆がどれだけポテンシャルを持っているか」なんですね。
そして、そのポテンシャルを正しく引き出すためには、バリスタの技術とマシン性能が必要になります。豆が悪ければ、どんなに腕の良いバリスタと高性能のマシンがあっても期待以上の味は得られないわけです。
なぜ美味しいエスプレッソは「豆」が重要なの?
改めて強調したいのは、エスプレッソの品質を決定づける最大要因は「豆」だということ。
焙煎が浅すぎたり深すぎたりすると、それだけで味は大きく変化します。鮮度の落ちた豆を使えば、香りやクレマ(表面の泡)が一気に弱くなります。
さらに、豆の個性を最大限に引き出すためには、適切な挽き目を設定しなければなりません。
焙煎が深めの豆なら挽き目を少し粗くする、浅煎りなら細かくする、など微妙な調整が日々必要です。この微調整を誤ると、どれだけマシンが優れていても狙った味にはなりません。
「豆50%」という数字は大げさではなく、それほどまでに豆の重要性が大きいという意味なのです!
「安定したマシン」を選ぶポイント
とはいえ、バリスタとマシンが25%ずつとはいえ、その25%は決して小さくありません。ここをおろそかにすると、どんなに優れた豆を使っていても、抽出は安定しません。
なかでもマシンの選び方については、これからカフェを開業される方にとって大きな投資です。あるいはマシンを新調するカフェ経営者さんとしても、じっくり検討していただきたいと思います。
抽出のブレを最小化する要因
エスプレッソマシンが安定抽出を実現するためには、以下のような要素がカギとなります。
①圧力制御
イタリアのエスプレッソ協会などが推奨する9気圧前後を安定して供給できるか
②温度制御
豆に応じて90〜92℃をしっかりキープできる、あるいは細かく設定変更できるか
③抽出時間のコントロール
シングル・ダブル・ルンゴなど、プリセット機能がしっかりしているか
④ボイラーの性能・連続抽出時の安定度
1日に数十杯~数百杯を淹れる繁忙タイムでも圧力や温度が落ちにくいかどうか
このあたりをクリアしているマシンであれば、「マシン由来のブレ」はかなり軽減されます。
特にカフェのピークタイム(朝・昼休み・夕方など)においては、連続抽出が当たり前ですよね。
ボイラーが小さいマシンだと、抽出するたびに温度や圧力が落ち、立て直しに時間がかかってしまうことも珍しくありません。
そのため、大量抽出時の安定性能は、カフェ開業を検討するうえで非常に重要なポイントになるのです。
IEI認定は「安定機能」のお墨付き
イタリアには、「インスティテュート・エスプレッソ・イタリアーノ(IEI)」という団体があり、エスプレッソ文化の継承と品質向上を目的に厳しい基準を設けています。
ここでいう「IEI認定マシン」とは、エスプレッソを適切な
・圧力
・温度
・抽出時間
などで安定的に淹れられるかという審査をクリアしたマシンのことです。
イタリアのバリスタ大会で公式マシンとして使われたり、日本代表のバリスタが世界大会で採用したりするマシンは、多くがIEI認定を受けているんですね。
中でも、サンマルコのマシンは、認定取得に7〜8年かかったというほどのこだわりぶり。この事実が物語るように、IEI認定を得るのは決して簡単ではありません…!
だからこそ、「IEIを取っているマシンなら間違いない」と言われるわけです。
マシン自体のスペックが高く、なおかつ安定性にも長けているというお墨付きがある。
初めてカフェを開業する方でも一定以上のクオリティを維持しやすい強みが、私がサンマルコのマシンを扱う理由の1つです。
美味しいエスプレッソは三位一体で出来る
最後に、バリスタ由来のブレについて少し触れておきます。
バリスタはの役割は
・挽き目の調整や粉量のチェック
・抽出時間の微調整
など、日々のルーティンを正しく行うこと。
マシンの性能を最大限に引き出す役割を担うのがバリスタです。
ただし、いくら熟練のバリスタでも「豆の質が悪い」あるいは「マシンの性能が不十分」ではどうにもなりません。
だからこそ、「豆50%、バリスタ25%、マシン25%」という考え方が成り立つわけですね。
エスプレッソを安定して抽出し、毎回お客様にベストな一杯を提供するには、
・豆(焙煎・鮮度・挽き目の最適化)
・マシン(IEI認定・馬力・安定性)
・バリスタ(豆とマシンの性能を引き出す技量)
この三位一体のバランスが欠かせません。
もしこれからカフェ開業を考えている方は、ぜひ豆の仕入れ先や焙煎度合いを見直しつつ、導入するエスプレッソマシンがどれだけ安定して連続抽出できるのかをチェックしてみてください。
IEI認定を受けたマシンであれば、抽出のブレを小さく抑えられるうえに、馬力面でも安心感があります。
もちろん、バリスタとしてのスキルアップも必要ですが、まずは「何を使うか」で大きく道が分かれるということ。
最初のマシン選びで失敗すると、後々まで苦労が絶えません。ぜひ時間をかけてじっくり検討し、「安定したエスプレッソ抽出の相棒」を見つけていただければと思います。
満足度の高いカフェをつくるために
やや専門的なお話しになりましたが、最後まで読んでいただき嬉しいです。
エスプレッソはミルクメニューにも応用が利く大切なベースドリンクです。そこがブレてしまうと、ラテやカプチーノなどの味わいまで変わってしまうんですよね。
だからこそ、ブレの原因を突き止め、豆・マシン・バリスタそれぞれをしっかり整えたうえで、安定した抽出ができる体制を作り上げていきましょう。
カフェ開業は一杯のエスプレッソがしっかり安定すると、それだけでお客様の満足度は大きく向上します。
エスプレッソがカフェ開業を成功させるカギといっても過言ではありません!
ぜひ今回のポイントを押さえて、理想のカフェづくりに役立ててみてください。
では、また次回もお楽しみに。サンマルコの毛利でした。
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