お知らせ
ブログ

美味しいエスプレッソが出ない時の対処法 原因は本当にマシンだけなの?

こんにちは!サンマルコの毛利です。今日はエスプレッソのお悩みについて。

「エスプレッソマシンを使ってみたけれど、どうしても美味しいエスプレッソが出ない…」という声をよく聞きます。

カフェ開業を目指す方や本格的なエスプレッソを提供したい方にとって、マシンをグレードアップすれば悩みが即解決すると思われがちですが、実は「マシンだけが原因じゃない」ということはご存知でしょうか?

今回は、エスプレッソが美味しく出せない原因と対処法についてお伝えします。

サンマルコとしてエスプレッソマシンを販売している立場ですが、あえて「マシン以外の要素」を強調しているのは「それが本質だから」に他なりません。

美味しいコーヒーを求めるうえで、なにを押さえておくべきなのか、一緒に探っていきましょう。

 

「機械のせいで美味しくならない」は本当?

「家庭用のエスプレッソマシンだから、出る味に限界があるのでは?」という考え方は確かにあります。業務用のマシンのほうが抽出圧やスチーム性能が安定している、というメリットは当然存在します。

とはいえ、カフェ開業のときなど、マシンを高価なものに変えただけで理想のエスプレッソが必ず出るのかといえば、そうとも限らないのが現実です。

ここを理解していなければ、美味しいエスプレッソの入れ方はわからないまま。せっかくオープンしたカフェも上手くいかなくなってしまいます。

まず以下のように、エスプレッソの味を決める要素は1つではありません。

①豆(ブレンドや鮮度)
②焙煎度合い
③挽き目やグラインダーの性能
④水(浄水器を含めた水質管理)
⑤抽出圧や温度設定

意外と多いですよね?

「マシンがすべて」のように思われがちですが、むしろ豆や水質など、その周辺要素が整っていないと“美味しい一杯”には届きません。

美味しいエスプレッソが出ない原因と対処法

豆はエスプレッソに相応しいか

日本で人気の浅煎りやスペシャルティコーヒーは、「酸味」を大切にする傾向があります。

一方、イタリア式のエスプレッソはロブスタ種を使った苦味主体のブレンドが一般的なんですよね。

ロブスタは「安くて苦い豆」というイメージがあるかもしれませんが、実はクレマやボディを形成する大切な役割を担っています。つまり「イタリアの本場エスプレッソは苦味があるからこそ美味しい」というコンセプトに合致します。

もし「エスプレッソがどうしても酸っぱい」と感じるなら、使用している豆がエスプレッソ向けではない可能性があります。

焙煎度合いと“タイミング”

また、豆の種類と同時に大事になってくるのがコーヒー豆の鮮度です。

エスプレッソ向けの焙煎というと、やや深めをイメージしてください。1ハゼや2ハゼといった焙煎のタイミングを意識して、丁寧に仕上げた豆を使うと、抽出時の味わいに大きな差が出ます。

浅煎りだと酸味が立ちやすく、エスプレッソ特有の苦味が不十分になりがちなのです。

また、焙煎後の経過時間によっても香味が変化します。

 もし「焙煎教室で習った通りにやっているはずなのに美味しくならない」という場合は、気温や湿度の違い、豆の産地や品種の個性などが影響していることも多いです。

マニュアルをそのまま当てはめるだけでなく、実際に味を確かめながら微調整していくことが欠かせません。

エスプレッソはグラインダーが命

カフェを開業してしばらくすると、「あれ、昨日まで安定していたのに、今日はなんだか味がバラバラ」という経験をするかもしれません。

その原因の一つが“グラインダー”です。

エスプレッソの抽出では、粉の粒度が均一にならないと味が極端にブレやすくなるのです。

グラインダーの性能が低いと、挽き目にムラが生じ、抽出速度が不安定に。わずかな調整の違いで苦味や雑味が増えたり、逆に薄くなったりします。

エスプレッソマシンを高価なものに変えるよりも先に、グラインダーの調整をしっかり行うことで、劇的に味が改善するケースも少なくありません。

水質管理をあなどらない

エスプレッソマシンはお湯で高圧抽出するため、マシン内部にカルキなどが蓄積しやすいという特徴があります。

日本は基本的に軟水の地域が多いですが、地域差は意外と大きいもの。カルキを除去しないまま使い続けると、マシンの故障リスクが高まり、抽出温度や圧力にも影響を与えます。

また、硬度をどこまで落とすかによって味わいも変わるため、「フィルターがあれば何でもいい」というわけでもありません。

日本全国どこでも同じコーヒーの味を出すためにコンビニが管理を徹底しているように、カフェでもきちんと水質に気を配れば、安定して狙った味を出しやすくなります。

抽出圧・温度の設定

エスプレッソマシンは高圧で短時間抽出するため、わずかな圧力の違いで結果が変わる繊細な世界です。

・抽出温度が高すぎると苦味だけが際立ちやすい
・低すぎると酸味や薄さが強調される
・抽出時間が短いと軽い味わいになりがち

などなど、適正な抽出を行うには、豆や焙煎度、挽き目に合った“時間・圧・温度”のバランスを取る必要があります。

ここが決まれば「なんだかエスプレッソが美味しくないんだよな…」という悩みが一気に解消することも少なくありません。

 

サンマルコはマシンを売るだけで終わらせない

「せっかくいいエスプレッソマシンを導入したのに、どうも美味しくならない」というご相談を受けるたびに、私たちはマシンだけでなく、豆や焙煎、挽き目調整、水質などを総合的に伺うようにしています。

サンマルコとしてはマシンの販売が業務の中心ではありますが、「これを導入すれば絶対に美味しくなりますよ」なんて軽々しくは言えません。

むしろ、豆や抽出理論も含めて“どこが原因なのか”を一緒に探りたいという姿勢を大切にしています。

もし「美味しいエスプレッソが出せない」ことで悩んでいるなら、まずは上記を確認してみてほしいです。

いずれかに問題があると、どれだけ高級なマシンを使っても“残念な味”になり得ます。

複数の要素がからみ合っている場合もあるので、一つひとつをチェックしていくことが大事なのです。

今回の記事が、エスプレッソ作りに悩むあなたのヒントになれば幸いです。

「もっと詳しく知りたい」「具体的にここを直したらいいの?」など気になることがあれば、いつでもご相談ください。

私たちサンマルコは、マシンを届けるだけじゃなく、皆さんが理想とするエスプレッソを実現するためのサポートを惜しみなく提供していきます。

おすすめ記事

月を選択