エスプレッソを知ると、 ラテアートはもっと美味しくなる。

こんにちは!サンマルコの毛利です。
今回はラテアートの楽しみ方について書いてみたいと思います。
日本で根強い人気を誇るラテアート。実は「エスプレッソをしっかり理解する」と、より美味しく、そして奥深い楽しみ方ができるようになるのです。
ラテが大好きな方、コーヒーが日常になっている方に読んでほしいです。
ラテアートが流行する背景
ご存じのとおり、日本では近年「ラテアート」が大ブームです。
美しいフォームミルクの上にハートやリーフなどの模様を描く。その繊細さと可愛らしさを楽しむ。SNS映えする見た目も相まって、さまざまなカフェで提供されていますね。
私自身もラテアートを初めて見たときは、「こんなに綺麗に模様が描けるなんてすごい!」と感動しました。
味だけではなく、“目で楽しむコーヒー”という新しい楽しみ方が広がったのは素晴らしいことだと思います。人気になっているのも納得。
ただ、実際にラテアートを飲んでみて「フォームミルクは美味しいけど、コーヒーがどうも苦いだけ」「せっかく模様は可愛いのに、コーヒーがあまり印象に残らない」という声を聞くこともあります。
もしかするとその背景には、「エスプレッソ」への固定概念があるのかもしれません。
エスプレッソで、ラテアートをもっと美味しく
・美味しいお店と、そうでないお店
そもそも、ラテアートはエスプレッソからできていることは広く知られているでしょうか?
ここで強調したいのは、「エスプレッソの味わい次第でラテアートは大きく変わる」という点です。
ラテアートが映えるためには、クリーミーでやわらかなミルクフォームが欠かせませんが、その土台であるエスプレッソがどんな状態で抽出されているかも非常に大切です。
・適切な豆の挽き具合
・抽出圧力と時間
・タンピング(粉を押し固める作業)の適切さ
これらがしっかりとコントロールされていないと、エスプレッソは極端に苦くなったり、薄っぺらい味になったりします。
おそらく、ラテアートでも「このお店は美味しい!」と感じるものと、そうでないものがあるのではないでしょうか?
一方、正しく抽出されたエスプレッソには「香り」「コク」「甘み」といった複雑な要素がぎゅっと凝縮されます。そこにミルクのまろやかさが重なることで、ものすごくバランスの良いラテが完成するのです。
そこに美しいラテアートのビジュアルが合わさると、見た目と味の両面から感動を味わうことができます。
・「苦さ」をごまかすだけのミルクではない
余談ですが、日本でラテが定着している要因のひとつに、「エスプレッソが苦すぎるからミルクで和らげる」という発想があるように感じることがあります。
私自身、イタリアに行くまでは「エスプレッソ単体だと得意じゃないな…」と思っていたのも事実です。
でもイタリアで本物のエスプレッソに触れてみると「実は飲みやすい」「後味に甘みがある」と感じました。
むしろ質の良いエスプレッソは、その苦味自体が心地いいアクセントになり、ミルクとの組み合わせでさらに旨みを引き出します。
「隠すためにミルクで割る」のではなく、「エスプレッソのコクとミルクの優しさを掛け合わせて新たな味わいを生み出す」という感覚に近いのです。
エスプレッソを日本で広めたい理由
今回はラテアートについてお話しをしていますが、私はエスプレッソを日本にもっと広めたいと心底思っています。サンマルコの正規代理店として活動しているのもその一環です。
イタリアでは、カフェと言えばエスプレッソ。日常のどんなタイミングでも、ちょっと立ち寄ってサッと一杯飲んでまた仕事に戻る、というスタイルが根付いています。
アメリカ系のシアトルコーヒーが流行している日本から見ると、ずいぶん違う飲み方ですよね。
しかし、だからこそ、日本でエスプレッソが「ちょっとマニアック」な存在にとどまってしまっているのは、正直もったいないなと思うのです。
豆の選定や抽出を正しく行えば、エスプレッソは“コーヒーの旨み”をグッと濃縮した贅沢な一杯になるのに。多くの人はその真髄を知らないまま、ラテアートを注文しているのです。
もちろん、ラテアートは視覚的なワクワクを与えてくれる魅力があります。その世界観が広まったおかげで「カフェに行こう」「コーヒーを楽しもう」と思う人が増えたのは事実です。
だからこそ、もう一歩進んで「ラテアートのベースになっているエスプレッソを深く知る」ことで、さらにその楽しみ方は広がっていくのではないでしょうか。
本物のエスプレッソで、ラテアートの世界を広げよう
ラテアートをきっかけにコーヒーに興味を持った方は、ぜひ一度「エスプレッソそのもの」にもフォーカスしてみてください。
・本当に苦いだけなのか?
・どんな抽出方法や豆の選び方をしているのか?
・本場イタリアでは、なぜあの濃い一杯をさらりと飲めるのか?
こうした疑問を掘り下げていくと、コーヒーの世界の奥行きをより一層感じられるようになります。
そのうえでラテアートを楽しむと、「なぜフォームミルクが必要なのか」「エスプレッソとミルクの絶妙なバランスとは」という視点が生まれて、味わいにも変化が生まれます。
きっと、ラテアートの世界がもう一段階面白くなるはずです。